【移転前】楽園(パラダイス)にて迷宮(ラビリンス)の入り口を見つけてきた話。【転載】

photo by SEMINAMI, Hiro by 瀬南 比呂
photo by SEMINAMI, Hiro, a photo by 瀬南 比呂 on Flickr.


中心部より北側、北大生が多く住む北18条駅のすぐ近くに、目的のカメラ屋さんはありました。写真友達が欲しくて、グーグル先生に悩みを打ち明けて出てきたサイトがこのカメラの修理屋さん、パラダイスさんでした。

リンクはこちらから。

11月に札幌の奥座敷、定山渓で紅葉の撮影会があるとサイトで知って、はやいうちから決心しておかないと、なんだかんだでめんどくさがる習性のある私にとっては今が絶好のタイミング!っちゅーことで、お店の方に直接FBでメッセージで質問したら

「ぜひ一度、お店にいらしてください」

とのことだったので、思い立ってその週の土曜日に中心部自転車探検を兼ねて行ってきたわけです。

正直に言うと、入りにくそうならお店の外だけ見て帰ろうと思ってました(笑)だって、何を買うでもないし、現像するものないし…(デジタルだから…)

で、お供のポロクルちゃんと子Seana(iphone 4S black)、相棒のアルフォンスを鞄に入れて
北18条界隈をぐーるぐる。マップじゃもうすぐそこなのに、みつからない…。

最初に「これだ!」と思ったお店は「イケハラ」と書いてあって、「あーこれじゃないや」と通り過ぎてました。実はその「写真のイケハラ」さんこそが「パラダイス」さんだったのです。3回通ってやっと気づいたw

ショーウィンドウに並ぶ中古レンズや二眼レフカメラを眺めて、勇気を出して店内へ!女将さんらしき、女の方が出迎えてくれて正直に

「ホームページ見てきました!」と言った後が続かなくてwww
「えっとー、11月の定山渓の撮影会のお話を聞かせていただきたくて…」と

自分なりに要点をばしっとお話ししたら、戸惑いながらも色々教えていただきました。
Facebookにお店のページ作ってるのはどうやら、息子さんらしいです。女将さんにお話聞いてると、社長らしき(おそらく、その方がイケハラさん)男の方が色々親切にお話ししてくださいました。

ちょっと横道それるけど、アルフォンス褒めてもらっちゃったよ♡〜٩( ╹▿╹ )۶〜♡

店内左側にはフィルムカメラのused品が並べられていて、右の方と奥は作業スペースでした。先日行われていた小樽での白黒の写真撮影合宿の作品を見ながら、社長さんは

「デジタルはね、今のフィルムの技術に追いつくにはあと50年かかると言われているんですよ」と教えてくださいました。

(΄・◞౪◟・)΄◉◞౪◟◉)´◔◞౪◟◔’)50年?!

え、そんなに?と正直驚きました。そこまで写真機について勉強してきたわけじゃないけど、今のデジタル一眼を見る限りじゃもう進化は安定期に入ったような気さえするのに、50年とな…と。

「画質の面ではね、フィルムにはかなわんのですわ」と。

あー。なんか、聞いたことあるぞ!と思って記憶を探ると、たしかアサヒカメラ9月号のモノクロ特集に載ってた写真家さんも同じこと言ってたなー。やっぱり、ここ(フィルム)が原点なんだなーと思いました。

思いっきりデジタルッ子…(いや、小さい頃はまだフィルムしかなかったから、自分のおもちゃのフィルムカメラ持ってましたよ。現像するとたまごっちのキャラクターが縁に出てくるやつ。)な私としては、最初はちょっと「え、それアンチデジタルってことかいな…おいちゃん…」とへこみ気味でしたが、よーーーーーーく話を聞くと、そういうことでは決してなく(あたりまえですが)デジタルにはデジタルの良さがあり、フィルムにはフィルムの良さがあって、デジタルはフィルムの進化なくして発展はできなかった…ということだったんです。

そして、社長さんは「フィルム(カメラで)をね、撮ってるとデジタルの使いこなしもわかるようになってくるんですよ」とおっしゃっていました。

写真の基本は「観察」から。被写体を観察し、いろんなアングルから撮る。
デジタルならシャッター数を重ねても、記憶メディアが

´◔◞౪◟◔’)「あんさん、もう入りませんわー。すんませんねー。他当たってー」

とならない限りは続けられます。でも、フィルムは違いますよね。
枚数に制限がありますから。それに、決してお安いものじゃないし。
それ故に観察するんだ、と社長さんはおっしゃっておりました。

あーなるほど。と。
私はデジタルから入ってる(フィルム撮影経験はあれど、スナップ程度ですからね。小さい頃の)ので、被写体の観察は「どうしたら、撮りたい画が撮れるかな〜♪」くらいにしか考えてなかったのです。つまり、観察眼が甘かったのでございます。ま、始めたばかりだからコツも知らないし(笑)

そうやって観察を重ねて、試してみる。トライ&エラーを重ねて撮影された記録が全てフィルムには残るんだ、と合わせておっしゃっておりました。「失敗」だと思ったものも、一つの記録であり作品だ、と。そうやって「あ、これだ」と思った一枚への変遷がわかるんだ、とおっしゃっておりました。

写真のことを本当に丁寧に話していただいて、「あー!写真撮りてぇえええぇええぇえエエエエえエエエエ」という感情がむくむくとわき上がるのと同時に、「私がこんな深い世界に入り込んで大丈夫かいな…」と不安さえ覚えてしまいました。

すると、社長さんは「瀬南(本名じゃないです)さんには瀬南さんにしか撮れない写真があるんですよ」ともおっしゃっていました。被写体を観察する眼はその人じゃないと持ち得ない価値観によって形成されるので、同じ被写体でもアングルや角度、縦で撮るのか、横で撮るのか、はたまた斜めにかまえるのか…で違ってくるからだそうで。
「絵と同じですよ」と。「そうやって考えて瀬南さんが撮った写真は、プロの写真家でも撮れませんし、他の方が撮る写真は瀬南さんには撮れないんですよ」とも。

だから、撮影会なんか行くととてもおもしろいですよ、とおっしゃってたのはおそらく社長の息子さん。
そして、社長さんは「人の写真を見る(写真集などで)のは大いに結構です。だけど、見すぎるとコピーみたいになっちゃう。撮った写真を見ると、「あれ?どっかでみたことある…」ってなるんですよ」とも教えてくださいました。

たしかに、「(感性が)引っ張られる、影響される」ってのはありますよね。
それは写真に限ったことじゃなく、創作活動なんかは往々にしてそんなことの連続なんじゃないかと思うのです。
「模倣は創作の母」とはよく言ったものですが、まねしすぎるのもダメなんですね。何事もバランス。

そして、実に興味深い一言がありました。
「プロのね方を招いて撮影会すると、だめなんですわ。なんでかって、「ここをこうして撮るといいよ」と言われると、皆おんなじとり方しちゃうから(笑)」とおっしゃってました。

ははーん、なるほどなー。皆違って皆いい、とはまさにこのこと。
最近読んでる岡嶋和幸氏(写真家)の本にも「写真に正解はありません」って書いてあったもんなーと思い出しました。

まだまだ写真迷宮(フォトラビリンスなんて名付けちゃいます?w)に入り込んだばかりの私にとても親切に丁寧に、写真の世界を説いてくださった社長さんのお話はたくさんありますが、それはまた次回に書きます。

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