ちょうど先週の土曜日に北区にある写真屋さん「パラダイス」さんにお邪魔した時の話です。
写真について色々お話を聞かせてもらった中でも、「あーやっぱりプロは違うわー」と思ったことの一つとして「モデルとの接し方」の話がありました。
これは何も「プロのモデル」とは限らず、人を撮る場合全てにおいて通用することでした。
人はカメラを構えられると、身構えるのが自然な反応です。でも、写真屋さんの作品例を見ると被写体の表情がすごく自然だったり、動きがナチュラルでそれ自体が画になってしまうようなモノがたくさんあります。
「プロだから」
で片付けるのはいとも容易いですが、なんでなんだろう?と思っておりました。それに一つの答えを出してくれたのが、社長さんとのお話でした。
「写真を撮る」という行為についての話から、フィルムカメラを片手にお話してくださった(フィルムは入ってません。売り物だったから)社長さんが、話しながら私にパシッとシャッターを何回か切りました。
それはもう、ごく自然に。私も「撮られる」と思う隙もなくパシッと。
社長さんはその後「やっぱり、(カメラ向けられると)構えちゃうのが自然だから、それを忘れさせるのが一番だよね」とおっしゃっておりました。
撮影入ったら、まずは世間話しながらシャッターを切る。とにかく切る。その中でボージングや表情の指示をすこーしずつ出していくんだそうです。
そして、重要なのが「休憩」。休憩を入れてあげて、その間もカメラ片手に喋るんだそう。そうすると、被写体もカメラがあることが自然になってきてリラックスするらしいです。
で、不思議と被写体のモデルさんは「もっとかっこよく(or かわいく)撮ってもらいたい」という気持ちが芽生えて、自然とポージングも様になってくる、とおっしゃっておりました。
はー。なるほど!確かに、今現在はこんな私ですが、幼い頃はチラシモデルなんかをやっておりました。そのときも、カメラさんはまず「今日の朝ごはん何食べたの?」とか「今日はどうやって来たの?」とか「学校で好きな科目はなに?」とか色々質問してきて、その間にバシバシと写真を撮っていたように思います。
知らず知らずのうちに高校生くらいのときから有名写真家の写真集なんかをちょこちょこ見ていましたが、何がすごいのかさっぱりわかりませんでした。
モデルがいて、カメラがあれば誰でもそんな写真撮れるんじゃないか?と。
でも、写真に本格的に興味を持つようになってプロの写真家(ここではポートレートを撮る写真家)の何がすごいのか?ともう一度考えた時に浮かんできたのは
「総合演出力」のすごさ何だと思いました。
プロは機材も環境も被写体も恵まれた中で撮影しますから、然るべき道具を使えば「それなり」の写真にはなります。でも、それだけの言葉では片付けられない写真家というのは、照明の使い方から、被写体から何かを引き出す技術までが全てそろっている人のことなのかなーという考えにたどり着きました。
その技術力に差があるから、誰一人としてお互い真似することのできない写真が撮れるのかな…と。
人に限らず、モノを撮る場合もそうですが、やはり人を撮る場合とモノを撮る場合はむつかしさが違うと思うんですよね。人には人の、モノにはモノのむつかしさがある。
完璧に自分の思い描いた表現になることの方がアマチュアの場合稀だと思います。だけど、それだからこそ写真を撮り続けるのかもしれないですね。
思いがけないいい写真。こうしたかったのに…できなかった写真。全てが記録になっていく楽しさがそこにはあるんだなーと思いました。
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