吉川の背中を押したのが、栗山なら、私の背中を押したのはカメラだ。

Untitled by 瀬南 比呂
Untitled, a photo by 瀬南 比呂 on Flickr.

「監督が背中を押してくれたからです」とひたすらに語った今季の日ハム防御率1位投手の吉川光夫をみていると涙が出てそうになります。今季ダメなら、引退させると監督から言われたのは有名な話。転職ははやいほうがいい、と監督の配慮でもあったのだそう。

なにかに背中を押されて…。ということは人として行きていれば一つくらいはあるはず。
あの子がいたからがんばれた…とか、あれがあったから辛い月曜日も乗り越えられた(笑)とか(笑)

私の場合、それはカメラでした。
大学時代から写真に興味があって、ぶっちゃけ就職活動失敗したらお金貯めて専門学校でも行こうかと真剣に考えるくらいでしたが、就職も無事に決まって、頭の中からカメラの割合がすこーんと抜けた時期がありました。忙しくてそれどころじゃなかったんだ(笑)

東京の会社を辞めて、逃げるようにして東京をあとにして札幌へ帰ってきて、生活のためと割り切って学生時代にやっていたバイトの時以外は外に出歩くような生活をせず、週休5日のかつかつ生活をしていた私の背中を押したのです。カメラは。

なにもしたくない、誰にも会いたくない状態が続いていた7月だったと思います。本棚を漁っていたら出てきた、大学時代に暇つぶしで買ったカメラ雑誌と家電量販店のカメラコーナーで配ってたレンズ会社とカメラ雑誌のコラボした小冊子が出てきました。

ぱらぱらとめくって、読んでいると不思議と思い出される学生時代の記憶。
写真を撮るということはすなわち、外に出て、人と喋る必要があるということなのです。
当時の私にはえらいハードルが高いものでした。でも、学生時代に一度味わった蜜の味(笑)
というか、写真の楽しさ、もともと外出好きなひきこもり(笑)な性格もあって、出かけたい欲がわいてきたのです。

当時はまだ、コンデジしか持ってなかったのでコンデジ片手に愛犬をお供にして近所をぶらついたりするところから始めました。撮りたいと思ったものを、バシバシと。

全然画にならなくて、つまんなーい。ってなった記憶もありますが、とにかく散歩することが楽しかったのを覚えています。たくさん歩いて、いろんな写真を撮って、「あー楽しかった」ってなるのがすごく嬉しくて、数日続けていました。

だけど、やっぱり自分の切り取りたい画にならないフラストレーションも同時に蓄積されていったから、そうなったらもうやっぱり欲しくなるのは一眼レフカメラです(笑)

そして、カメラは私を人の多い中心部へと駆り立てたのです(笑)

そうだ!カメラを見に行こう!

と(笑)そして、私は意を決して中心部の量販店へ行ったのです。
そこでかたっぱしからカタログもらって、眺めて、ぶらぶらして…。ってやったのがビッ○でよかったのかもしれないです。だれも話しかけてこないその空間が私を妙に安心させて、人ごみにも順応できたのですから。

その時、これだ!と思ったカメラは確かペンタのK−5?K−30?あの、カラーカスタマイズできるやつです。(その後、ニコンにした理由はこちらの記事で)

持って帰ったカタログを切って、ノートにはって、この色がいいかな?あの色がいいかな?って書き込んだのもいい思いでです。そして、カメラを買うなら収入を増やさなくちゃ!仕事を安定させなくちゃ!生活も安定させなくちゃ!と奮起したのです。

きっと、その前から良くなる兆しはあったのかもしれないけれど、カメラが最後の一歩を踏ませてくれたと今でも思っています。

そして、まだその道のりの途中ではありますが、そのときから比べればはるかに余裕と充実感のある生活を送っている今の状態がすごく幸せに感じます。そして、まだまだ道半ばなので、もっとがんばろうとも思えるのです。

カメラよ、写真よ、ありがとう。そして、これからもよろしく。

コメント

  1. 素敵や…カメラががあってよかった!
    オレも書いてみよーっと!

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    1. どんなカメラでも写真を撮るってことは、物事を観察しないと行けないから、否が応でも外に出たくなるんだよね。ホントにすごい力を持ってるよ、カメラって。

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